画像診断を受けられた患者様およびそのご家族の方へ
当院においては診療上の必要性から各種画像診断が施行され、診療情報として記録・保存されています。近年人工知能(AI)技術が急速に進歩しており、画像診断の分野においてもその有用性が期待されています。AI技術を用いた画像診断により、将来的に画像診断レポートの精度向上、診断時間の短縮などの効果が期待されますが、その性能評価を行うためには多くの実臨床画像データが必要です。
本研究は、AI技術を用いた画像診断の性能評価を行うため、過去の画像診断結果を利用するものです。本研究では、東大病院の過去の画像検査データや付随する読影レポート情報(以下、画像情報等)を匿名化したうえで外部のAI企業が提供するAIモデル(具体例は後述)を用いて解析し、AI技術を用いた様々な画像診断の性能評価、有用性評価を行います。
本研究で行う具体的な研究課題は以下の通りです。
本研究の対象となるのは、2024年6月までに東大病院にて診断・治療の目的で画像検査(単純撮影、CT、MRI、超音波、核医学検査など)を受けた方です。利用する情報はこれらの画像検査情報および、その読影レポート情報(依頼医師による依頼文も含む)です。今回の研究の実施にあたっては、東京大学医学部倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。
本研究に参加することで、患者さんのご負担が新たに増えることはありません。
本研究で取得する情報は、東京大学医学部附属病院放射線科、コンピュータ画像診断学/予防医学講座、または東京大学大学院医学系研究科に所属する研究者が利用します。本研究に関連する研究者以外の第三者に情報を提供することはありません。
この研究が許可されている期間は、実施許可日から2029年6月30日までです。
AI技術を提供する企業が提供するアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を用いて画像情報等を処理し、以下のような検討を行うことでその性能を評価していきます。
すべての画像情報等はAPIへの送信前に匿名化(個人情報が識別できない状態)した上で利用し、統計的に処理します。この研究の成果を発表する場合でも、研究対象者が特定できるような情報を使用することはありません。使用するAPIは、それぞれの利用規約・プライバシーポリシーにより、送信データがサーバに長期間保存されたり、AIモデルの学習に使用されたりすることがないことが保証されているものに限るものとします。具体的には以下のものを含みます。
この研究で用いた匿名化済みの画像情報等はこの研究のためだけに使用し、放射線科およびコンピュータ画像診断学/予防医学講座のもとで適切に管理・利用します。匿名化済みの情報は研究終了後5年が経過したのちに破棄します。
本研究に関して、開示すべき利益相反はありません。
研究者の一部が所属しているコンピュータ画像診断学/予防医学講座は、株式会社ハイメディックとシーメンスヘルスケア株式会社の寄付を受けて開設された寄附講座であり、本学の利益相反アドバイザリー機関に報告し適切に管理されています。これらの企業は本研究のデザイン、データ収集、分析、解釈に直接的に関与することはありません。
この研究に関してご質問や相談がある場合や、ご自身のデータをこの研究に使用されることを拒否される場合は、本告知の掲載から3か月以内を目安に、以下の連絡担当者までご連絡ください。患者さんご自身に意識がない場合、判断能力がない場合、あるいは未成年の患者さんの場合は保護者の方、ご家族の方が代理で拒否の意思を表明することも可能です。