画像バイオマーカーを用いた疾患研究

主な研究者:Alam Md Ashraful

PET/CTの肝臓病変検出支援

PET/CT検査は、悪性腫瘍を検出するために広く行われている検査です。しかし体格や血糖値、臓器の状態などの影響で正常な組織にもFDGが集積して赤く「光って」しまい、診断の妨げになることがあります。特に肝臓は生理的な集積の個人差が大きく、目視による診断では小さな異常を見逃しやすい臓器として知られています。

この研究では、AST/ALTやγ-GPTなどの血液検査データと体格情報を組み合わせて、患者ごとの正常なFDG集積の程度を推定し、その基準からのズレ(Zスコア)を算出する方法を開発しました。また予測値と実際のPET画像を比較し、異常なFDG集積部分をZスコアとして可視化する手法を開発しました。この手法により、従来のSUV最大値を用いた検出方法よりも、肝腫瘍をより明確に検出できることが示されました。

文献

  • Alam MA, Hanaoka S, Nomura Y, et al. Improved identification of tumors in 18F-FDG-PET examination by normalizing the standard uptake in the liver based on blood test data. Int J Comput Assist Radiol Surg. 2024;19(3):581-590. doi:10.1007/s11548-023-03044-4

画像データから抽出された予後因子による腹部臓器疾患の予測

PET/CT画像から得られた特徴量を用いて、腹部臓器の異常を予測することを目的とする研究です。ベースラインの血液データおよび人口統計学的情報を共変量として用い、機械学習アルゴリズムを適用して予測を行うことで、高精度な疾患リスクの予測を目指しています。