種々の疾患の自動検出
肝臓腫瘍自動検出
主な研究者:竹永智美
肝臓の画像診断領域においては、肝細胞特異的な造影剤であるGd-EOB-DTPAを用いたダイナミック造影が日常的に利用されています。
しかしスライス厚の薄い多時相の画像の読影は画像診断ににとって負担の大きい作業です。特に肝臓領域では呼吸による臓器の変位や変形も大きいため、スムースな読影が妨げられる原因となっています。
我々の研究室では、EOBを用いた肝MRI検査における肝腫瘤の自動検出ソフトウェアの開発を目指し、研究を行っています。


本研究は科研費・基盤研究(C)「EOB-MR画像における自己教師あり学習による基盤モデルの構築」として採択されています。
文献
- Takenaga T, Hanaoka S, Nomura Y, et al. Multichannel three-dimensional fully convolutional residual network-based focal liver lesion detection and classification in Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI. Int J Comput Assist Radiol Surg. 2021;16(9):1527-1536. doi:10.1007/s11548-021-02416-y
- Takenaga T, Hanaoka S, Nomura Y, et al. Development and evaluation of an integrated liver nodule diagnostic method by combining the liver segment division and lesion localization/classification models for enhanced focal liver lesion detection. Radiol Phys Technol. 2024;17(1):103-111. doi:10.1007/s12194-023-00753-y
胸部単純CTからの気管支粘液栓セグメンテーション
主な研究者:園田優貴
COPD・肺気腫・気管支喘息の管理において、胸部CTで観察される気管支粘液栓の存在は独立したリスクファクターとして近年注目されており、重症度や予後、治療反応性などと関連していることが知られています。しかし微細な粘液栓は、放射線科医による一般的な読影においては無視されたり見落とされたりしがちであり、定量的評価もほとんど行われてこなかったのが現状です。
本研究室では、胸部CT画像から粘液栓を検出する世界初と思われる手法を発表し、モデルを公開しました。

文献
- Sonoda Y, Fukuda K, Matsuzaki H, et al. A deep learning-based automated detection of mucus plugs in chest CT. ERJ Open Res 2025; in press